今回チカラコブのインタビューを受けて頂いた髙長根 博樹(たかながね ひろき)さん(52歳)は、新郷村生まれ。建設業界に34年従事し、現在はリフォームや修繕をメインに手がける大工として、個人事業主として活動しています。名久井農業高校を卒業後、ものづくりへの強い興味から建設業界に入社。平成26年まで有限会社関下工務店で働き、その後、高齢となった両親の家業の農業を継ぎつつ、「髙長根建築」を創業、“一人親方”として活躍しています。建築業と農業を両立しながら、地域に密着した大工として信頼も厚い高長根さんにお話を伺いました。
この仕事に就いたきっかけは?
若い頃から建築の職人になりたいという夢がありました。ものづくりが好きで、家業の農業に携わりつつも、やはり建築の仕事に惹かれました。高校では農業に関する知識を学びましたが、卒業後は自分の夢だった建築の世界に飛び込むことにしました。建設業界に入ってからは、住宅建築の基本から学び、ものづくりの技術を一から身につけました。家業の農業にも携わりつつ、やはり職人としての道を追求したいという思いが強く、最終的に大工としてのキャリアを選びました。
今の仕事について教えてください。
現在は、リフォームや修繕を中心に活動しています。特に地元のお客様が農家の方が多いので、住宅だけでなく、作業小屋や車庫の建設依頼も頻繁に受けています。修繕については、住宅の壁の補修や部屋の張り替えなど、部分的な修理が多いですね。大工の仕事は多岐にわたるため、設計から施工、そして細かい仕上げまで、一通りの工程に携わります。職人としてのこだわりは、細部まで丁寧に仕上げること。例えば、壁や家具の部品を自ら作り上げ、それが全体の完成にどう影響するかを考えながら進めていく作業には特別な楽しみがあります。お客様に『細部までこだわってくれてありがとう』と言われると、やりがいを強く感じますね。
独立してからのやりがいは?
独立してからの一番のやりがいは、自分の裁量で仕事を進めることができるので、お客様のニーズに柔軟に応えられることです。予算や要望に合わせて最適な提案を行い、その結果として満足してもらえる仕事ができたときに、非常に大きな達成感があります。現在は年間15件ほどの建築工事を手がけていますが、それぞれの案件が異なるため、常に新しい挑戦をしています。また、家族生活にも影響しないペースで働けるのも大きな魅力です。最近ではリフォームや修繕の需要が増え、特に高齢者の住まいの改善や安全対策に関する依頼が多くなってきました。地域に密着した大工として、地元のお客様に信頼されることが、私にとって最大のやりがいですね。
独立したきっかけを教えてください。
独立したのは、より自由にお客様の要望に応え、自分のペースで仕事をしたいという気持ちが大きかったです。有限会社関下工務店での経験を活かしつつ、親の農業を継ぐというタイミングも重なり、独立する決意を固めました。新郷村を中心に、近隣の五戸や三戸周辺でも仕事を請け負っていますが、地元のお客様との信頼関係が一番大事。特に、家業の農業を継ぎながら、建築の仕事も続けられるというのは地元があってのことで、自分にとって理想的な働き方。また、自分で仕事をコントロールできるので、子供との時間や家庭生活を大切にできるのも独立の大きな理由です。
ここだけの話。収入面はいかがですか?
現在は建築と農業を併せた売上として約3,500万円ですが、従業員時代とは異なり、仕入れや仕事道具の調達、事務経費などさまざまな支出が多いのが現実です。自由な時間は増えましたが、その分、経営者としての責任や出費も増えたという感じですね。ひとり親方としての稼働には限界があり、大きな拡大は考えていませんが、地域における需要がある限り、仕事を続けていきたいと考えています。建築業と農業を両立させながら、地元のお客様に対して信頼される仕事を続けていくことが、私の目標です。