浚渫(しゅんせつ)工事業とは?

「浚渫(しゅんせつ)工事」とは、主に水中にある土砂、泥、砂利、石などを取り除くための工事の総称です。

河川や湖沼、港湾、ダム、堰、水路など、水が関わる施設や設備に対して行われることが多く、
主な目的は、水流の改善、水深の深化、水路の改修や維持管理などです。

浚渫工事は、長い歴史を持ち、日本でも古くから行われてきました。
特に、江戸時代には、大規模な河川改修工事が行われ、水害の被害を減少させるなど、
水の利用に関する技術が高度に発展しました。

浚渫工事には、以下のような種類があります。

【河川浚渫工事】

すでに述べた通り、河川浚渫工事は、河床や岸辺の泥や砂、石を取り除くことによって、
河川の流れを改善する工事です。
河川の改修や護岸工事、環境整備なども併せて行われます。

【港湾浚渫工事】

港湾浚渫工事は、港湾の水深を深くすることで、大型船舶の出入りを容易にするための工事です。
また、港湾内の汚泥やゴミ、砂利なども取り除きます。

港湾は、貨物の輸送や国際貿易に欠かせない重要なインフラであり、
安全性の確保が必要となります。

【ダムや堰の浚渫工事】

ダムや堰の水路には、横綱(よこづな)と呼ばれる、水の流れを制限する装置が設置されています。
横綱には、土砂や流木などがたまりやすい欠点があり、水路が詰まることがあります。
浚渫工事は、水路の詰まりを防ぐために行われます。

【船舶用水路の浚渫工事】

船舶用水路の浚渫工事は、船舶が通行するための水路を取り扱います。
海岸線の変化や浜建設、海岸沖積地などによって水路の深さが浅くなることがあります。
このため、船舶用水路の浚渫工事は、海や河川の水深を維持するために非常に重要な工事です。


海や河川の水深が浅くなると、大型船舶の通行が困難になったり、
運航コストが増加することになります。

また、浅くなった水路では、海や川の水が溜まりやすく、河川の氾濫や
洪水などの被害が発生する恐れがあります。

船舶用水路の浚渫工事は、主に以下のような方法で行われます。

【ドラゲリア方式】

水中ポンプを使って、水底から土砂や泥を吸い上げる方法です。
ポンプで吸い上げた泥などは、浮力によって河岸や船に運ばれ、処理されます。

【バケット方式】

クレーンなどの機械を使って、水底から土砂や泥を掬い取る方法です。
掬い取った土砂や泥は、船やトラックで運ばれて処理されます。

【水中掘削方式】

水中で重機を使って、土砂や石を掘り起こす方法です。
掘り起こした土砂や石は、船やトラックで運ばれて処理されます。

【水中爆破方式】

水底に設置した爆薬で土砂や石を破壊する方法です。
爆破によってできた土砂や石は、浮力によって河岸や船に運ばれ、処理されます。

船舶用水路の浚渫工事は、環境保全や安全性を確保するために、慎重に計画されています。
例えば、工事中に発生した泥や土砂は、適切な処理が必要です。

また、工事中に水質汚染が発生しないように、水中ポンプや掘削機には、
ろ過機能が備わっていることが一般的です。

工事の実施時期や方法も、環境や生態系に配慮した上で検討されます。

船舶用水路の浚渫工事は、船舶や海運業界、漁業業界、観光業界など、
多くの産業にとって欠かせない工事です。

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