■昇降機検査員とは
昇降機検査員は、エレベーターやエスカレーターなどの昇降機器を定期的に点検、
保守、および安全性の評価を行う専門家です。
■昇降機検査員の主な仕事内容
- 定期点検:昇降機器の安全性と機能を保つために、定期的な点検を実施します。これには、エレベーターシャフト、制御装置、ドアメカニズム、ケーブル、安全装置などの各部品の検査が含まれます。
- 保守作業:昇降機器の正常な動作を維持するために、必要な保守作業を実施します。これには、オイル交換、部品の交換、清掃、調整などが含まれます。
- 安全評価:昇降機器の安全性を確保するために、異常な動作や潜在的な安全問題を評価し、修正する役割があります。これには、安全装置のテストや昇降機器の安全性に関する規制に準拠するための作業が含まれます。
- 障害対応:昇降機器が故障した場合、急報修理や緊急対応を行い、利用者の安全を確保します。
- ドキュメンテーション:点検および保守作業の記録を取り、法的要件や規制に従って文書化します。これは、将来の点検および監査のために重要です。
昇降機検査員は、昇降機器の運用に関する幅広い知識と技術を持ち、安全性と効率性を確保するために高度な専門知識が求められます。また、地元の建築コードや安全基準に精通している必要があります。昇降機検査員は、建物の所有者や管理者、エレベーター製造会社と連携し、昇降機器の適切な運用と安全性を確保します。
■昇降機検査員の資格
エレベーターやエスカレーターは初めから安全性を重視して製造されていますが、
時間の経過とともに劣化が進行します。
これらの設備を長期間にわたり安全に使用するためには、定期的な保守作業が不可欠です。
昇降機等検査員は、エレベーターや同様の設備の点検、調整、および改修工事などの定期的な保守を専門的に行う専門家です。
国や他の所有者・管理者が建築物を所有・管理している場合を除いて、建築基準法により、全ての建築物においてエレベーターやエスカレーターを含む、小型貨物用昇降機や遊戯施設などが定期的に検査資格を持つ専門家によって点検され、特定の行政機関にその結果が報告されることが義務づけられています。
昇降機等検査員の資格を取得するためには、昇降機や遊戯施設に関する実務経験が必要です。その後、昇降機等検査員の講習を受講し、修了試験に合格する必要があります。
ただし、講習を受講するには昇降機や遊戯施設に関する実務経験が必要ですので、この資格は経験豊富な専門家向けのものと言えます。講習は通常4日間にわたり、合計で22.5時間かかります。
具体的な受講資格要件は、学歴などに応じて異なりますので、日本建築設備・昇降機センターのウェブサイトで詳細を確認してください。
■昇降機検査員の活躍の場
昇降機検査員は、昇降機器(エレベーターやエスカレーターなど)の安全性と適切な運用を確保するために幅広い活躍の場があります。以下は、昇降機検査員が活躍する主な場所と状況です:
- 建築業界:昇降機検査員は、新しい建物や施設の昇降機器の設置前に点検や調査を行います。建設プロジェクトの進行中にも安全性を確保するために昇降機検査が行われます。建築プロジェクトにおいて昇降機検査員は重要な役割を果たします。
- 管理・保守会社:多くの昇降機管理会社や保守会社は、昇降機検査員を雇用して顧客の昇降機器を点検、保守、修理します。昇降機器の定期点検と保守は、安全性と運用の一貫性を確保するために非常に重要です。
- 政府規制機関:一部の国や地域では、政府の規制機関が昇降機検査員を認定し、昇降機器の安全規制を監督します。昇降機検査員は、これらの規制機関で働いて昇降機器のコンプライアンスを確認し、安全性を評価します。
- エレベーター製造会社:エレベーター製造会社は、昇降機検査員を雇用して自社製品の品質管理と顧客サポートを行います。製品の安全性と性能を確保するために昇降機検査員が必要です。
- 独立したコンサルタント:一部の昇降機検査員は独立したコンサルタントとして活動し、建物所有者や管理者に昇降機器の点検と保守に関するアドバイスを提供します。建物の安全性や適切な運用に関する専門知識を提供します。
昇降機検査員は、建物や施設の安全性と効率性を確保する重要な役割を果たしており、さまざまな業界と連携して業務を遂行します。彼らの仕事は昇降機器の正確な動作と安全性に関わるため、非常に重要です。
■昇降機検査員情報サイト
https://www.beec.or.jp/course/mlit_course2/